第9回 少年少女禅の集い

〜上総・安房地区〜

少年少女禅の集い 上総安房地区


 今年、少年少女禅の集いは下総、上総・安房の2カ所で行われました。上総・安房地区では8月27日(月)、28日(火)に鋸南町 日本寺様にて開催され、33名のお友達が参加してくれました。

 開会式では宗務所教化主事 渡邊秀夫老師と会場主である藤井元超師より、この2日間をどう過ごしてほしいかというお話がありました。

開会式 開会式 会場主挨拶

 開会式の後、大仏広場に移動してミニゲームを行いました。班員の名前を覚え、仲良くなる事が目的です。はじめに名前覚えゲーム、次にボウルを使って水運びリレーをしました。特に水運びリレーは水をこぼさず早く歩くのが難しいので、一人一人真剣に運んでいました。

水運びリレー なるべくこぼさないように…

 その後大仏様の前で記念撮影をし、みんなで銭湯に行きました。とても広い銭湯でしたが、ここには集い参加者以外のお客さんたちもいらっしゃいます。その方達に迷惑をかけない様、ロッカールームやシャワーは自分勝手に使わず、みんなで共有しながら入りました。


 入浴を終えてお寺に帰ると、和尚さんたちが夕食の準備をしていました。今晩のおかずは豆腐と野菜の炒め物、ほうれん草のおひたし、そしてお味噌汁です。
 食生活の変化のせいか、野菜を嫌い、肉やスナック類など好きなものだけを食べる子供が増えてきました。今回の禅の集いでは、苦手意識の軽減・箸や茶碗の持ち方を覚えてもらうことを目的とし、食材は野菜や穀類に限定しました。
 はじめは食べてもらえるか心配でしたが、おかわりをする子が多かったのに驚きました。また、野菜が苦手という子も「食べられるだけ頑張ってみる」とチャレンジしてくれました。

ご飯を作ってくれた一人 宮下師のお話 みんなそろっていただきます

 レクAの時間には、書院の中でともしびの集いを行いました。全員が蓮の形をしたロウソクを持ち、本尊様のお灯明から各班のリーダー僧へ、そしてリーダー僧から子供たちへと灯が分けられました。
 全てのロウソクに灯がともったら、今度は全員で大きな一つの輪をつくり、その後ロウソクを本尊様に捧げました。

ともしびの集い リーダー僧へ灯が分けられた リーダー僧から班のみんなへ

大きなともしびの輪が出来た 本尊様へ献灯

 それから「まごころに生きる」という詠讃歌を歌い、和尚さんからお話を聞きました。

「まごころに生きる」をお唱えする 森田師のお話


 翌朝は坐禅から始まり、その後みんなで朝のお勤めを行いました。

朝の坐禅 礼拝し、般若心経をお唱えする

 朝食を摂り、班毎に分担して掃除を済ませた後は、最後のレクリエーションとしてオリエンテーリングを行いました。鋸山を登って隠された6つの言葉を探し出し、一つのキーワードを完成させます。

出発前に記念写真をパチリ
班別写真 1班 班別写真 2班

班別写真 3班 班別写真 4班

班別写真 5班

 地図を見る係・キーワードを記入する係など、班のなかでそれぞれで役割を分担し、ヒントに従って山道を歩きました。階段や坂が多いので、小さい子には大変だったかも知れません。それでも大きい子が小さい子の手を取って一緒に歩いたり、みんなで歩く速さに気を配りました。そのため怪我やリタイアをする子もなく、全員が無事にゴールの大仏広場までたどり着くことが出来ました。

いまどこにいるのかな きっとあっちだよ!

わたしはキーワードを書く係 ゴール!!

 ゴールで完成したキーワードの確認です。キーワードは「み ん な な か ま」でした。


 最後に、禅の集いの記念として大仏広場で植樹を行いました。班で一本ずつ、全部で5本のつつじを植えました。ぴったりつけて植えたつつじは、大きくなると一本の木に見えるそうです。この植樹には、「みんなの力が集まって、一つになる」という願いが込められています。

→植樹の様子はこちら

 昨日、今日と一緒に過ごしたお友達も、おうちの方も、周りの人や動物・植物たちも、みんな一緒に生きている「なかま」です。私たちが日々の暮らしは、沢山のものの命や人の助けによって成り立っています。誰もが誰かの力を借り、また力となって生きています。生まれた時からずっと、私たちはなかまの中にいるのです。そのことを、いつも心のどこかに留めていてほしいと思います。


〜実行委員長のコメント〜

 本年の安房・上総地区「少年少女禅の集い」は鋸山の日本寺において8月27、28日の二日間にわたり開催された。天気にも恵まれ、体調不良や大きなけがをした子もおらず、山の自然を大いに楽しんでくれた様に思う。

 今回の同地区禅の集いのメインテーマは、「チームワーク」であった。集まってくれた子供たち同士、同じ班の仲間、それぞれの家庭、学校、果ては自然とのチームワークである。少しテーマが大きすぎた様な気もするが、各担当の僧侶によって、要所要所において適切なお話があり、子供たちにも理解してもらえた様だった。

 毎年、禅の集いが終わると思うことは「子供たちの心にどれだけのものが残せたか?」ということである。同じ班の下級生を思いやる心、家族への感謝の気持ち、大切な自然を守ってゆくこと、等々何か少しでも心に残してもらえたら、世界はもっともっと住みよくなってゆくのではないだろうか。

 末筆になりますが、ご参加下さった青協連の皆様、ご協力いただいた青年会の皆様、寺族の皆様に感謝申し上げます。

上総・安房地区実行委員長 鋸南町 日本寺 藤井元超 合掌


〜青年会員の感想〜

 『チームワーク』というキーワードを通じて、家族や仲間、自然の大切さを考える。という趣旨のもと、広大な自然環境に恵まれた鋸山を舞台に、一人では出来ないけど、みんなとならゴールにたどり着けるオリエンテーリングなど、なかまと共に試行錯誤していくなかで生まれてくる協調性や連帯感、肌で感じ、考え、ふれあうことで自然の大切さを参加者一人一人が学び、からだ全体で体験できた1泊2日の研修であったことと思います。

 食事―座卓に正座で頂く、五勧の偈をとなえ、説明を聞き、いつもとは違う食事の空間、好き嫌らいのあった子供もいたが、みんなでとなえた『言わない やめよう 好き嫌い』の意を得て、いまを大事に生きるため、残すことなくきれいに食べていて成長を目のあたりにしました。

 今回の研修を通して一人一人が普段の家庭生活、学校生活など身近なところでの『チームワーク』の輪をひろげてくれて、無限の輪ができれば・・・と、願っています。

市原市 永徳寺 佐久間紘道 合掌


●青年会長のコメント●

 (「少年少女禅の集い」は、曹洞宗千葉県宗務所及び青少年教化員連絡協議会(青教連)の主催ですが、青年会も協力スタッフとして参加しており、また、青教連のメンバーも殆どが青年会員なので、例年青年会のHPで行事の紹介と報告をしています。)

 今年で9回目となる少年少女禅の集い。今回は下総地区が千葉市満蔵寺様、上総安房地区が鋸南町日本寺様の2会場で開催。私も両会場に参加してきました。

 毎年、「お子さん達に何を伝えたいか」というテーマを決めてプログラムを企画していくのですが、お子さんが対象ということもあり、どうしても「楽しませる」ことに主眼が置かれてしまい、プログラムの内容がテーマと関係ない物になってしまうこともしばしば…。

 私は青教連のメンバーではありませんが、今回も企画の段階から参加させていただき、@テーマに沿ったメッセージ性のあるプログラムの企画。A「お寺を会場に僧侶が行う行事」であることの意味を考える。B正しい食事作法を伝えるため、献立は手抜きをしない。等々の意見を述べさせていただきました。

 「あまりガチガチの内容だとお子さん達が楽しめないのでは?」と言う意見も出ましたが、マジメなプログラムの中に、いかに楽しみを盛り込むかが我々の努力の為所だと思います。

 一番大切なことは、参加して下さったお子さん達が何を感じ、何を持って帰ってくれるか、です。

 スタッフの皆さまには、今回の禅の集いでの経験を糧に、来年以降も更なる内容充実が図られることを期待します。



少年少女禅の集い 上総・安房地区 日程
27日
28日
13:00 受付  5:00 起床
14:00 開会式・オリエンテーション  6:00 坐禅
15:00

レクリエーション@
ミニゲーム

 6:30 朝のおつとめ
16:30 入浴  7:00 朝食
18:00 夕食  8:30 清掃
19:00

レクリエーションA
歌の練習・ともしびの集い

 9:00

レクリエーションB
オリエンテーリング

20:30 就寝準備 12:00 昼食
21:00 坐禅 13:30 閉会式
21:30 就寝 14:30 解散

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