あとしまつ                   成就院 住職 鈴木晋一

テレビを見ることが好きだ。嫌いな人は、そう多くないと思う。子供のころから、アニメや映画、野球など一日中見ていた気がする。

最近は好んで情報番組をみる。「真実は小説よりも奇なり」というが、毎日いろいろと話題がある。人が、人を殺める悲しい出来事は心が痛む。海外で活躍する日本人の姿は勇気をもらう。「人生いろいろ」と公言した総理もいたけれど、「公約って?」平気で惚ける首相も。政治家は、裏付けのない情報で、右往左往。

それでも選ばれた代表なのか?
子供や孫のためと叫んでいるけど本当かな?
この有様で、この国はどうなるの?と嘆いてもしょうがないか?


近年は、国民総評論家″と揶揄されるように、情報がありすぎて、乱れていて、いろんなことを、見てきたように話す。本当なのかと注視していないと、落とし穴にハマってしまう。

それでも、テレビが好きだ。

茶道の所作をクイズでやっていたが、登場していた先生は茶道の大事を「後始末」といっていた。そういえば、大ヒットした邦画のワンシ−ンにも「亡くなった人の後始末をするのが、残った者の勤め」(要約)とのセリフ。事ある毎に初中後″を口にする老師が思い浮かぶ。節目を大事に、後始末を大事にと。

どの道にも後始末の大事さが伝えられている。日常の後始末は当然のこと。人生のそれは、なを大事なこと。自らのものも、先に逝った大切な方のものも…。私は、この先何をすればと問い合わせる。テレビを見ながらそう想っている。


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