| 【縁】 儀林寺 住職 柳弘士 |
|
少し長くなりますが、自分のことを書かせていただきます。 私は、自分で言うのも何だが野球が大好きです。テレビ観戦もそうだが、身体を動かし実際にplayするのが楽しみである。暇さえあれば何処でもシャドーピッチングをするほど（こう見えても投手だったので）野球が好きです。隣にかみさんがいると、恥ずかしいから「やめて」とよく言われる程です…。しかし、小さい頃の私は決して野球を好きではなかった。 私が野球を始めたきっかけと言うのは、私の実父が大の野球バカ（ホントに野球が好き）で、無理やり教えられました。父は熊本出身で父の若かった頃のスポーツと言えば、野球しかなかったようです。その時代と言えばあの「長嶋茂雄」氏です。長嶋氏に憧れて学生時代を過ごしたそうです。そんな父も男の子(私)が生まれれば、やはり甲子園を…。 そしてゆくゆくはプロ○球選手にと…。 小学校入学後まもなくして、父が軟式用グローブを買ってくれました。週末は父が勤めている役所が休みなので、家の前でキャッチボールをしました。でも本音を言えばやりたくなかった。しかし、一回キャッチボールをすれば100円お小遣いをくれたので、嫌々ながらもキャッチボールをしてお小遣いをもらっていました。 四年生になると、一年間でいいから少年野球チームに入ってみないかと？ 一年ならいいかなと軽い気持ちで野球チームに入りました。内向的な私は、始めのうち、皆の前で打ったり・投げたりするのが凄く恥ずかしくて嫌でしたが、次第に仲間が出来、気が付いたら『野球』と言うスポーツが好きになり、夢中になってボールを追いかけていました。勿論、一年だけ…と言う約束事も忘れて(笑)…。中学・高校 そして大学（国際武道）まで野球を続けました。そして大学の在学中に『縁』があり仏門の世界へ… その大学にしても初めは進学するつもりはなく、専門学校へ行く予定でした。夏の大会が終わり、友人の一人が武大のセレクションに行くから一緒に行かないかと誘われたのがきっかけでした。実力のない私は、勿論受かりません。推薦入試も落ちました。しかし、一般で奇跡の補欠合格を頂き(笑)入学することが出来ました。 現在、私は会社員をしながら、住職をさせていただいているが、過去を振り返ってみたとき、自分一人で頑張ってきたと思っていたが、それは大きな間違いだと気づかされました。周りにいる人たちが私を支えていただき、そして自分がいると言うことを…。 もし大学に受かってなければ… もし友人が誘ってくれてなかったら… もし少年野球チームに入っていなければ… もし100円のお小遣いをもらっていなければ… もし父親が野球を好きでなかったら… もし父の子に生まれてなかったら… 他にも色々ありますが、もし一つでも違う選択をしていたら… 今の私はココには居なかったはず… そう考えると『縁』と言うものは凄いことです、今まで出会った方々にさらに深く感謝したいです。この『縁』というものをこれからも大事にしていきたいと思います。 この先、皆さんにも(私も)、色々な場面で、どちらかに選択しなければならないときがあると思います、どちらかに選択したにせよ、そのときの『縁』と言うものに感謝し、前を向いて歩いてくれれば幸いです。 |