法戦式

 13時より御寺院様11名、会員16名、御寺族、檀信徒、一般参加者21名参加のもと、冨川山長安寺 首座法戦式が盛大に執り行われました。

 法戦式とは、お釈迦様が迦葉尊者に説法を施した事がはじまりとされており、法師が弟子の修行が熟したと見なし首座(第一座・修行僧の代表)として大衆(修行僧)と問答を行わせる儀式です。

武長一俊師  畔柳智彰師

送迎を先頭に入堂する

 まず、これから法戦式がはじまりますという合図に、殿行が木版を3回たたきます(巡版三下)。次に雷のような太鼓の音とともに、送迎に導かれて導師が入堂します(大擂上殿)。

竹箆を受け取る  竹箆を使わせていただきます

 上の左右の写真は首座和尚が竹箆(しっぺい)という法具を導師から授かり、これから使わせていただきますという気持ちを込めて、導師にお辞儀している様子です。

 竹箆とは中国の宮廷にて貴人が使っていた罰具であり、不敬を働く者を戒めるための用具でした。その後、唐の時代に禅宗へ伝わり、師家が門弟を策励するために使われるようになりました。法戦式では竹箆を首座が握り、何人かの問者(質問をする者)と問答する際に用いられる法具となりました。

 右下の写真は首座和尚が竹箆を畳に叩き付け、問答をおこなっている様子です。

導師 大山文隆師  首座 片山秀淵師

弁事 森山道宣師  竹箆を導師に返す

 右上の写真は問答が終わり、竹箆を導師にお返ししている写真です(返竹箆)。次に左下の写真は首座和尚が御礼の意を持って、お拝をしている様子です(首座謝拝)。

本師に対しての謝拝  送迎を先頭に退堂する

集合写真

法戦式配役

・導師      大山  文隆
・本師      福田寺 方丈
・尊宿      永明寺 方丈
・両班(首座)   片山  秀淵
・仝 (書記)   殿城  太寛
・仝       正覚寺 方丈
・仝       泉福寺 方丈
・仝       東照寺 方丈
・仝       善福寺 方丈
・仝 (維那)   新野  利行
・仝       宮下  晴祐
・法要解説    伊藤  雄太
・侍者      戸田  信也
・侍香      小池  玉照
・弁事      森山  道宣
・堂行      庄司  徳潤
・殿行      四十澤 承順
・仝       松山  健雄
・送迎兼殿行   渡邊  信行
・仝       武長  一俊
・鐘司兼殿行   畔柳  智彰
・詠讃師     房田  清光
・問者      松本  英明
・仝       大塚  昌浩
・仝       増田  芳裕
・記録      征矢  貴晃

法戦式差定

一、巡版三下
一、殿鐘三会大衆上殿
一、上方丈
一、大擂上殿
一、上香献湯菓茶
一、普同三拝
一、般若心経
一、挙則
一、開口唱頌牌
一、請勘辨拝 (達磨大師御和讃)
一、拈竹箆
一、法問
一、謝語
一、返竹箆  (達磨大師御詠歌)
一、首座謝拝
一、祝語   (両班、本師、堂頭)
一、普回向
一、普同三拝
一、祝拝
一、導師退堂 (聖号)
一、大衆散堂

 今回は涅槃会、法戦式と2つの行事を無事に修行することができまして、青年会員にとって数多くのことを学べる良き場となりました。会場を快くご提供くださいました長安寺様に心より御礼申し上げます。そして、OB、会員の皆様、ご参加ご協力、本当に有難うございました。


〜三仏忌実行副委員長のコメント〜


『涅槃会・法戦式』

 去る平成24年2月17日、鴨川市長安寺に於いて涅槃会と法戦式が厳修されました。この度は私の再会に併せて涅槃会を計画いたしました。宮下会長、事務局はじめ、参加した会員の皆様のご理解、ご協力に感謝申し上げます。

 16日は梅花練習と法要ならしをいたしました。そして長安寺の涅槃図を本堂須弥壇上に掛けてもらいました。平成6年に長安寺46世大山興隆大和尚が老朽で傷んでいた涅槃図を修復してから出す機会が少なかったのですが、平成20年に新野元会長のもと、涅槃会が青年会で厳修されました。それから毎年出すようにしておりましたが、場所は東序室中に掲げていました。前々から気になっていた須弥壇上の木製の滑車がおそらく涅槃図を上げるためにあることと思い、今回は須弥壇上にこの滑車を使って上げさせてもらいました。明治の初めまでは数名の修行者がいた道場であったので、そのころまでは上げて涅槃会をやっていたことと想像します。宮下会長の丁寧な涅槃図の説明も大変ありがたく拝聴させていただきました。

 17日は午前10時半より涅槃会が庄司徳潤師と会員の御詠歌の美声で始まりました。上香、食、ロ親金、菓、茶を献供し、九拝ののち、出班焼香、大衆九拝、そして服部聡和師に涅槃会疏を読んでいただき、参同契・寶鏡三昧を読誦し、お釈迦様の功徳を回向させていただきました。首座や尊宿、寺族、役員、首座関係者の参加もあり、とても厳かに執り行われたように思いました。

 午後1時より、法戦式が始まり、両班に宮下会長も随喜していただき、鳴らし物、殿行、問者はすべて青年会員の方々にしていただきました。房田清光師に独詠をしていただき、一般の方々はとても感動しておりました。青年僧侶の迫力のある問答でとてもすばらしい法戦式が行事されました。

 青年会の皆様の力でお寺本来の力のようなものを感じ、かつて修行道場であったころの面影がうかがえることが何よりもうれしかったです。これからも、研鑽の場を提供して皆々さまと共にお釈迦様や佛菩薩の為に尽くしたいと思います。

副会長(三仏忌実行副委員長) 大山 文隆 九拝


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