第1回定例会
(地震の科学館体験)

 平成25年6月12日(水)、OB1名、会員10名参加のもと、東京都北区防災センター見学に行ってきました。

 10時30分に宗胤寺様に集合。はじめに房田清光師を講師として、今期の第1回目の梅花練習を行いました。第1回目ということもあり、御詠歌を唱える意義や心構えなど、基礎的なことから指導を受け、追善供養御和讃を練習しました。なお、次年度梅花流千葉県奉詠大会への登壇を予定しております。

説明をする房田清光師  梅花練習風景

 梅花練習後、宗胤寺様を出発し、東京都北区防災センターに向かいました。当日は台風の影響もあり、雨の中の見学となりました。到着してまず地震の疑似体験をさせてもらいました。和室、洋室、台所と部屋が分かれており、震度1〜7までを体験した後に、阪神淡路大震災、東日本大震災と同じような疑似地震も体験もさせてもらいましたが、係の方の説明で「被災地ではこの揺れが2分以上続いたそうです」との言葉に改めて地震への恐怖を感じる体験となりました。

地震疑似体験を説明する指導員  疑似地震を体験する会員

 次に、けむりの恐ろしさを体験することになりました。まず、係の方のけむりについての講習を受け、その後、けむり(人体には害のないもの)で充満した真っ暗で障害物のある部屋に入り、壁を伝って出口までたどり着く体験でした。けむりの影響によって、視力や判断力の低下や身体的なダメージを受けながら進まなければならない状況を体験させてもらいました。

けむりの恐ろしさについて話す指導員  説明を受ける会員

 次に、消火器の実践指導を受けさせてもらいました。消火器の使用に関しては、過去に何度も体験していることでしたが、定期的に実践をしていないと、本当の意味で身につくことはないと改めて痛感させてもらいました。

消化器の使い方を説明する指導員  実際に消化器を実践する会員

 最後に、AED(自動体外式除細動器)の使用説明と実践の体験をさせてもらいました。何度か体験していることでしたが、いざという時、すぐに対応できるよう少しでも訓練し、常日頃から心がけていることが大事だと感じました。このことは本日の体験のすべてに言えることだと感じました。災害に関して普段の生活の中で、常に考え、このような体験をもとに危機管理能力の向上をしていかなければと、この度の災害疑似体験を経て思いました。

AEDの説明をする指導員  心臓マッサージをする安田宏彰師

集合写真

 この度、会場を御提供くださいました宗胤寺様に心より御礼申し上げます。また、雨の中御参加いただきました会員の皆様、本当にお疲れ様でした。

〜参加者のコメント〜


『災害疑似体験の研修に参加して』

 東日本大震災発生から2年3ヶ月余りが経過しました。
 私が住んでいる地域でも水道がおよそ1ヶ月不通となり、また、道路の損傷や建物が倒壊するなどの被害が出ました。現在は復旧も徐々に進み幾分落ち着きを取り戻しつつあるように思えます。その反面、私自身のなかで、あの未曾有の災害の記憶も風化しつつあるのもまた事実です。そのような事に危機感もあり、災害疑似体験の研修に参加しました。


 今回の研修では最初に地震および火災発生時の身の守り方、避難の仕方、消火器の扱い方を学びました。各種災害の性質について理解を深めるようにしました。その次に心肺蘇生法についての講義を受けたのですが、これは私の中でとくに印象に残るものとなりました。心肺蘇生法については、だいぶ前に心臓マッサージの講習を受けたのみで、AEDの使い方を学んだことがありませんでした。一通り説明を受けた後、全員が心肺蘇生法を実践することになりました。頭では理解したつもりでも、いざ実際にやってみると、なかなかうまくいかないもので、心臓マッサージを行う際の正しい姿勢等について細かく指導を受けました。AEDは訓練用のものでしたが、実際に扱ってみるとそれほど難しいものではないことがわかりました。この講習で驚いたのは、私が以前に講習を受けた時とは、心肺蘇生法の考え方がだいぶ変わっていたことです。以前の講習では、心臓マッサージと人工呼吸の仕方をセットで学んだのですが、現在の考えでは、心臓マッサージは「必須」であり、重点的にやってほしいということでした。AEDや人工呼吸はあくまでも「やった方が好ましい」というくらいで、心臓マッサージに対する比重が高くなっていたのです。

 今回の研修は、とても充実したものとなりました。なかでも一番学んだことは、心肺蘇生法に限らないことですが、それまで常識とされていたものが刻々と変化していることです。大震災の経験を活かし、また、災害を正しく理解するためにも、定期的に講習会に参加して新しい知識の習得につとめるようにしていきたいと思います。

龍泉寺 徒弟 増田 芳裕 合掌



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