第3回定例会(布教)

 平成25年11月5日(火)、市川市總寧寺様に於いて、OB2名、会員12名参加のもと、13時半より第3回定例会(布教)及び梅花練習を行いました。

 当日は、總寧寺ご住職 照井文隆老師より『誓願会』についてのご講演を賜りました。誓願会を一言で言うならば、「一日在家得度式」ということになるかと思います。「仏教に帰依することを誓うとともに、仏縁によっていただいた寺院への帰属意識を明らかにし、寺院はそれを受け入れ証明する入門儀礼」として考案されたもので、これは曹洞宗古来からのものではなく、千葉県誓願会委員会が独自に作った行事ですが、宗務庁の認可を受けている正式な行事であります。

總寧寺ご住職 照井文隆老師  講義風景

 曹洞宗では、生きているうちに授戒をするための「授戒会」を、大本山永平寺、大本山總持寺をはじめ、各寺院によって行われています。授戒会は一般檀信徒の方に参加していただきますが、本山では7日間の修行により、戒名を禅師様より授けていただけます。しかしながら、7日間の修行も大変なことではありますが、各家庭の事情により「7日間も参加できない」など、「本当は参加したいのだけれど…」という思いでなかなか参加できない方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

 この誓願会では各寺院にて、菩提寺のご住職を戒師とし、約半日で法要を行い、「生きているうちに菩提寺の住職から檀信徒の皆様に戒を授ける」という行事です。ただ戒を授けるのではなく、お釈迦様の弟子になるということの大切さや、戒を授かるために守らなければならない戒律などを、檀信徒の皆様にわかりやすく伝わるような法要になっています。

總寧寺ご住職 照井文隆老師  講義風景A

実際の映像で見る誓願会  薄永大明師より質問です

 また、実際に市原の永昌寺様で行われた誓願会の映像を見せていただきました。参加された檀信徒の皆様にとてもわかりやすく懺悔から授戒までの法要が綿密にされているという印象でした。また時間は半日と短いですが、とても有意義な法要であると感じました。最後の道場が終わったあとの皆様のお顔がとてもいい笑顔で、「誓願会に参加できて良かった」という方が多数おられたようでした。

 講演最後に、照井老師から「檀信徒の皆様に戒を無理に守ろうとするのではなく、私はお釈迦様の弟子になったのだから、嘘などついてはいけない。嘘などつけるはずがない。というように、自らの意思でそう思えるようになっていくよう、また、私たち僧侶もその戒を檀信徒の皆様と共に行じてゆくことが大切なことではありませんか?」とお話をいただきました。私たち僧侶が戒を守ることは当たり前の事ですが、「檀信徒に皆様と共に」ということを改めて考えさせられました。また、改めて「住職」と「檀信徒」との関わりを見直す良い機会になったのではないかと思います。

房田清光師  所作を学ぶ会員

お唱えする房田清光師  お唱えする会員

 引き続き、房田清光師を講師に梅花練習を行いました。まずはお唱えする前の所作や法具の扱い方について、細かく練習をしました。その後、青年会にて行う成道会に向けて、大聖釈迦如来成道御和讃と、大聖釈迦如来成道御詠歌(明星)をお唱えしました。音程をとるのがとても難しかったですが、成道会に向けての思いを馳せながらお唱えしました。

 最後に、總寧寺ご住職 照井文隆老師、丁寧で解りやすいご講演を賜りましたことを心より御礼を申し上げます。また、ご参加いただきましたOB、会員の皆様お疲れ様でした。

〜参加者のコメント〜


誓願会講演に参加して

 私は日頃から仏教、とりわけお釈迦さまが伝えられてきた心である「戒」を、人々が積極的に普段の生活に取り入れてもらえれば、と思っていました。しかし、実際には「戒」を知ってもらうための機会をうまく設けることはできず、また説明する機会があってもせいぜい知識欲を少し満たせるぐらいで、内容的に満足のいくものはできませんでした。

 そのような状況にあった私には、今回の誓願会についての講演は、布教の仕方、そして寺院と檀信徒の関係を見つめ直すきっかけになったと思います。

 いまだ仏教、つまり、どうしたらいただいたこの命を精一杯生ききることができるか、ということについて関心を持つ人は多いと私自身は感じています。

 そのような問題について、寺院側としてはともに参究し実践する道場としての役割を果たし、また人々の憩いの場となることができるように、今回の講演を手がかりとして一層の自己研鑽をしてまいりたいと思いました。

龍泉寺 徒弟 増田 芳裕 合掌


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