第15回 少年少女禅の集い(下総地区)

 平成25年8月27日(火)〜28日(水)、八千代市長福寺様に於いて、曹洞宗千葉県宗務所主催の『少年少女禅の集い(下総地区)』が開催されました。57名のこどもたちと、スタッフ34名が1泊2日の間共に過ごし、一緒に坐禅やレクリエーションを行いました。

 開会式の導師を千葉県宗務所庶務主事 中村知己老師がお務めになりました。その後、会場主である長福寺住職の吉村利行師のご挨拶で『怪我に気をつけながら、夏休み最後のいい思い出にしてください。』とお話をいただきました。

開会式  長福寺ご住職 吉村利行師

 本堂にて記念写真を撮り、本堂1階の広間にてみんなでおにぎりとお味噌汁を食べました。

集合写真

 レクリエーション@では、アロマキャンドルを作りました。
 仏教においての灯燭とは、@仏前を明るく照らすことA炎には不浄を燃やし魔を除き周囲を清める働きがあるとされているB炎の明るさが人間の煩悩の闇を照らす仏様の知恵と悟りの象徴とされているCいつしか燃え尽き消えゆく様が人生の無常をもあらわしている。というような様々な意味を持ち、我々僧侶にとって非常に縁のある大切な仏具のひとつであります。その「燭」という仏具に、こどもたちが少しでも親しみやありがたさを感じてもらえたらという願いを込め、このレクリエーションを行いました。


 火を使う作業なので、私たちスタッフも細心の注意を払いながら作業に臨みました。まず溶かした蝋を入れるカップに名前を書き、割り箸で固定した芯をカップの中に垂らします。次に短くなった蝋を小分けしてこどもたちの缶に入れ、自分の好きな色のクレヨンを入れてコンロの火で溶かしてもらい、自分のカップに芯を伝わせながら蝋を流し込み、水に浸けて冷やします。この作業をもう一度繰り返し、2色の好きな組み合わせで、自分だけのオリジナルアロマキャンドルを作りました。

リーダー僧の説明を聞くこどもたち  蝋をとかしてもらうこどもたち

ろうそくを冷やしている  2色目の色を流し込む

 お風呂の後の夕食では、こども五観の偈をみんなでお唱えし、この食事、作物を作ってくれた人やそれに携わるすべての人たちに対し、感謝の気持ちを込めながら精進料理をいただきました。

精進料理  感謝の気持ちを込めていただきます!

 夕食の後、レクリエーションAでは、レクリエーション@で作ったアロマキャンドルを使って、こどもたちそれぞれのご先祖様や、大切な人、大好きだったペットたちに対し想いを込めながら、須弥壇の中央燭台から灯火をいただきました。その後、市川市總寧寺ご住職 照井文隆老師のお話で、『人と競争するのではなく、自分自身が今できることを一生懸命行うこと。そしてその姿をご先祖様にずっと見守ってくださいとお願いし、感謝の気持ちを忘れずにいることが大切なんですよ。』とお言葉をいただきました。こどもたちも真剣なまなざしで話を聞き、大切な人への想いに手を合わせていました。

灯火に想いを込め合掌  合掌しているこどもたち

法話をされる照井文照老師  須弥壇へお供えしたこどもたちの灯火

 本堂での法話の後、各班のリーダー僧が中央燭台より灯火をたいまつに持ち、こどもたちを先導しました。駐車場にて送り火として、花火を打ち上げながらご先祖様に対しての想いを夜空へ送りました。

たいまつで先導する宮川義道師  ナイアガラの花火

 レク後、就寝準備を済ませ、夜の坐禅(夜坐)を行って1日目を終えました。

布団を準備するこどもたち  坐禅の指導をする柿崎勇人師

坐禅風景@  坐禅風景A

 2日目朝5時。6年生の男の子が、起床を告げる鈴を鳴らして(振鈴)、みんなを起こしました。布団を自分たちで片付けたら、朝の坐禅(暁天坐禅)です。暁天坐禅では坐蒲という専用の座布団を使って坐禅を行いました。朝早い時間でしたが、こどもたち1人1人が背筋を伸ばして、慣れないながらも真剣に坐禅をしていました。朝のおつとめでは、しっかりと正座をし、大きな声でお経を唱えることができました。その後、朝食を食べてから、各班ごとに掃除を行いました。

朝の坐禅風景@  朝の坐禅風景A

朝のお勤め風景  みんなでご本尊様に合掌

おかゆとひじき  雑巾がけちゃんとできるかな

 レクリエーションBでは、カレー作りをしました。普段は作ってもらっている食事ですが、自分たちの力でカレーを作って、食事をいつも作ってくれている人の大変さを知り、感謝の気持ちを持ちましょう。というコンセプトで、このカレー作りをすることになりました。

 包丁や火を使う大変危険なことなので、こどもたちには調理器具の扱いをきちんと指導し、また、料理をしている時には、周りを走ったり騒いだりしないよう注意を促しながら、作業に取りかかりました。高学年の子は野菜を切ったり具材を炒めたりと、普段も家でお手伝いしているんだなと思わせる手さばきで、危なげなくカレーを作っていました。低学年の子には、包丁や火を使わない白玉団子を作ってもらいました。絹ごし豆腐と白玉粉を混ぜる作業では、みんな楽しそうにこねていました。なかには乗り物や、動物など、自分の好きなものを形作っている子もいたようです。白玉を茹でる作業もこどもたちに手伝ってもらいまいたが、とても楽しそうでした。早く茹で上がってこないかなぁと鍋をずっと眺めている子もいました。

 最後の食事になるお昼ご飯の時には、みんな大きな声で「いただきます!」と、自分たちが作ったカレーを満面の笑みで食べている姿が印象的でした。

切り方を教える丸島和親師  うまくきれてるかな?

こねるのおもしろいね!  ちゃんとまるくできてるかな?

熱いから気をつけてね!  おいしそうなにおいだよ

あとは煮込むだけだ!  早く食べたいな!!

 今回は低学年の子が半分を占めていたので、ホームシックになってしまったりしないかなどを心配をしていましたが、大きな怪我もなく、今年の下総地区少年少女禅の集いも無事に閉会式をむかえることができました。最後に千葉県宗務所庶務主事 中村知己老師から修了証を各班ごとにいただき、閉会式を終わりました。参加してくれたこどもたちにとって、沢山の思い出ができた2日間となったことと思います。

閉会式  賞状授与

大変よく頑張りました!  おめでとうございます!

〜日程表〜

 
1日目
 
2日目
10:00
受付
5:00
起床
10:30
開会式・オリエンテーション
6:00
暁天坐禅
12:00
昼食
6:20
朝のおつとめ
13:00
レクリエーション@
7:00
朝食
16:00
入浴
8:30
清掃
18:00
夕食
9:00
レクリエーションB
19:00
レクリエーションA
12:00
昼食
20:30
就寝準備
13:30
閉会式
21:00
夜坐
14:30
解散
21:30
消灯就寝
 
 

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