平成27年度 第2回定例会
(法灯発送作務・AED講習)
平成27年7月6日(水)、宝成寺様に13時半に集合し、第2回定例会を行いました。
公共の場はもとより、寺院へのAED導入も徐々に見かけるようになった近年において、その必要性や詳しい使用方法についてはなかなか浸透していないのが現状かと思います。今回、AED講習の講師としてキヤノンマーケティングジャパン(株)の海永様にお越しいただきご説明いただきました。
はじめにAEDの概要についてご説明いただきました。
AED(自動体外式除細動器)とは、「必要に応じて電気ショック(除細動)を与え、心臓の働きを戻すことを試みる医療機器」のことで、機器が自動的に心電図解析を行い、電気ショックの必要有無を判断してくれます。
傷病者を発見して119番通報をし、救急車が到着するまでの平均時間は8.5分。到着から病院搬送までの時間は平均39.3分かかるそうです。
一方、除細動によって人命が救える確率は1分ごとに7〜10%低下してしまいます。もしも心肺停止状態にある傷病者に、救急隊到着まで周囲の人が何もしなかった場合の生存率はわずか8.9%とのことです。
胸骨圧迫と5分以内にAEDによる電気ショックを施した場合、生存率は50.2%まで上がります。
従来のAEDはオレンジ色のパッケージで、設置されているご寺院のほとんどにオレンジ色のものが普及されているようですが2年ほど前に緑色のものが発売になったそうです。
オレンジと比べて緑色のものは胸骨圧迫の際に「もっと強弱をつけてください」と力加減が音声ガイダンスで入るなどわかりやすくなっており、カミソリやハサミ、タオルが中に入っているそうです。
なお、今回の講習時には緑色のAEDを使用しました。
次に海永様のご指示のもと、資料と機器を使用した実習に入りました。傷病者が早期社会復帰するには、正しい手順で心肺蘇生法を実施することが重要とのことで、丁寧にご説明下さいました。
まずは意識確認です。肩をたたいたり耳元で大きな声で声をかけて、反応を確認します。そして119番の通報要請とAEDを探してきてくれるよう手配します。
10秒ほど胸とおなかを観察して呼吸を見て、呼吸がなければただちに胸部圧迫です。講習参加者は、順番に機器に向き合い一生懸命胸部圧迫をしました。
前述したとおり、このあとのAEDによる心肺蘇生までを「5分以内」に行わなければ生存率がどんどん低下します。
AED到着後すぐに電源を入れて、電極パッズを胸部に貼ります。貼ると自動的にAEDが心電図解析をはじめます。
測り終わってまだ患者の意識が戻らない場合、電気ショックです。このとき自分や周囲の人が感電しないように安全確認をしてから、電気ショックボタンを押します。
意識が戻らなければ、胸骨圧迫。さらに電気ショック。救急隊が到着するまで、交互に繰り返し行います。救急隊が到着しても電源は切らず、パッドも貼ったままで救急隊に引き渡します。
こうした作業は1人より出来るだけ多くの方々に手伝っていただくことが大切です。たとえば周囲の方に救急車やAEDを手配する時に、相手の目をしっかり見て要請しないと、助けを要請した相手がその場を去ってしまうことがあります。AEDの手配には非常に長い時間を要する事も考慮に入れて、多くの人にAEDの手配を要請する事も大切です。
いかに急を要する作業か、援助する人々、協力心、冷静さがいかに必要かがよく分かりました。
特に人に接する機会の多い環境で、機器の使用方法を理解しているかの重要性を再確認しました。
海永様、ありがとうございました。
〜参加者のコメント〜
率直に、今回のAEDの使用についての講習を受けさせていただいてとてもありがたかったです。 興陽寺 副住職 山高 信厚 合掌 |
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