常総市災害ボランティア活動

 平成27年10月1日(木)、長全寺様に8時半に集合し、会員10名、長全寺様より2名参加のもと常総市災害ボランティア活動に行ってきました。
同年9月9日、台風18号の影響により鬼怒川が決壊し、住宅地に大量の土砂が流れ込む未曽有の被害となりました。ニュースから流れる映像は大変恐ろしく、河川近くの被災地区一帯は一面水浸しの状態で、リアルタイムで多くの人々が自衛隊の救助を待っているありさまでした。

 今回、ボランティアで訪れたのは常総市の松岳寺様です。会員の車3台の乗り合いで、10時に到着しました。

松岳寺境内@  松岳寺境内A

松岳寺境内B  松岳寺境内C

 まず我々が目を見張ったのは一面泥まみれの境内でした。乾ききった泥をひとつまみ手のひらに乗せてよく見ると、お米でした。近くの田んぼから泥と一緒に流されてきたのでしょう。泥は大変粒子が細かく、はたき落としてもうっすらと肌に残るような白っぽいものでした。
境内の施設には白い線がくっきりと残っており、川の水がどの高さまで押し寄せてきたのかがよくわかります。
 本堂に入ると、畳がはがされて板間になっており、解体された須弥壇が整然と並んでいます。本堂内側の白壁にも水位がわかる線が残っていました。また、水が引いた後に床下に溜まってしまった泥水を掻き出すため、大きな穴から床下に人が入って作業していました。ふすまも押し入れの奥も全て泥だらけで、フローリングにかかっている表面の艶加工は簡単にはがれてしまうほどに痛んでいました。


本堂@  本堂A

 私たちは須弥壇があった所を含む板間全般、および堂内に残る泥を雑巾などで除去する作業に取り掛かりました。
絞った雑巾で丹念に板間を水ぶきした後、からぶきをします。泥の粒子が細かいせいで1度では完全にふき取れません。また、白壁は水分のせいで細かいひびが入ったようで、そこから泥がしみこみ完全に除去することはできない状態でした。それでもせめて表面だけでもと何度も繰り返しふき取りました。

作業開始  堂内清掃@

堂内清掃A  堂内清掃B

時には部屋の隅角にたまった泥を枯れ枝を使って掻き出したりしながら、根気で掃除します。
雑巾をゆすぐ水はすぐに泥水になり、こまめに取り換えながら作業を続けます。

堂内清掃C  堂内清掃D

堂内清掃D  堂内清掃E

玄関は特に泥の層が厚く残っていましたが、きれいな水を直接かけてブラシをかけながら掃除をしたところ、本来の木目や光沢が徐々によみがえってきました。
境内でも地元の方々が作業に精を出しておられました。

境内地清掃  玄関清掃

 ご住職は我々のために差し入れをご用意くださいました。そのお気遣いに我々はただただ頭(こうべ)を垂れました。ご住職は現在庫裏に住むことはできず、別の地域からここまで通っているとのことです。

途中で雨が降ってきたのもあり、作業は14時前に切り上げました。
これだけマンパワーが揃って4時間近く作業しても、作業に貢献したとはなかなかいい難いほどに、現場は大変な状況にあります。はたしてこのようなお宅様が、常総市にはどれだけあるのかと考えると、気が遠くなります。
これからも作業は続くことでしょう。

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最後にご住職と寺族の方々、地元の青年僧侶の方々と集合写真を撮り、解散しました。
奥様の「こうした困難に際してなお一層、一つ一つのご協力が心からありがたい」といったお言葉が印象的でした。
我々一人ひとりが松岳寺様方から多くを学ばせていただいた、貴重かつ濃いひと時となりました。
誠にありがとうございました。

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