【3日目/1月30日(水)/担当:増田芳裕】

 3日目はホテルを8時に出発。2時間半かけて160kmを北上し、ミャンマー国境付近にあるカンチャナブリ生き直しの家の視察に向かいました。途中、JEATH戦争博物館とクウェー川鉄橋を訪れました。

 JEATH戦争博物館は第二次世界大戦、特に泰緬鉄道に関する博物館です。「JEATH」とは日本(Japan)、英国(England)、米国およびオーストラリア(America、Australia)、オランダ(Holland)、タイ(Thailand)のそれぞれの国の頭文字をとったもので、館内には旧日本軍の戦争捕虜となり、泰緬鉄道建設工事に従事した連合国軍兵士たちのキャンプ地での生活についての資料が展示されています。写真やスケッチ、日本軍や捕虜が使用した武器や防具、手術用の外科器具などを見学しました。

JEATH戦争博物館  博物館前にて集合写真

 クウェー川鉄橋の近くには慰霊塔があり、泰緬鉄道建設の際に亡くなった連合軍兵士やその関係者を供養するための慰霊塔があります。この慰霊塔の前で会員全員、線香をお供えして手を合わせました。

慰霊塔  慰霊塔に参拝

 クウェー川鉄橋は、第二次世界大戦中に日本軍がタイとビルマを結ぶ泰緬鉄道(別名「死の鉄道」)建設の際に架けられた橋梁です。総全長415kmにわたる鉄道を戦局の逼迫から15ヶ月あまりという早さで開通させましたが、そのために多くの犠牲を生んだといわれています。現在でもこの橋梁は使用されていて、見学中にも泰緬鉄道の列車が通過していきました。その後近接の水上レストランにて昼食をいただきました。

クウェー川鉄橋  泰緬鉄道の路線図を見る会員

泰緬鉄道  鉄橋にてハイ、ポーズ!!

 午後はドゥアン・プラティープ財団が運営する「生き直しの学校」カンチャナブリ校を訪問しました。貧しい地域のこどもたちや青年たちに対する教育推進活動を軸として、さまざまな活動を行っている団体であり、現在ここで暮らすこどもたちの人数は43名、職員は12名です。到着すると、沢山のこどもたちが親切に出迎えてくれました。教室前にはこどもたちが作ったウェルカムボードが飾ってあり、とてもあたたかく、嬉しい気持ちになりました。

カンチャナブリ校入口  こどもたちの手作りウェルカムボード

 はじめにカンチャナブリ校の副理事長であるミン・ポー先生より、学校の活動についてご講演をいただきました。主だった内容としては、まずはこどもたちの「居住の安定」を最重要と位置づけ、その上で複雑な事情を抱えるこどもたちを受け入れて心を癒していくこと、社会的な自立を目的として職業訓練をはじめ各種教育を実施するなどといった組織運営状況や、スラム問題を中心にタイの社会情勢についてお話しいただきました。

副理事長 ミン・ポー先生  説明風景

 次に学校で暮らすこどもたちに手をひかれ、職業訓練としてパンやケーキ、ドーナッツを作るベーカリールームやこどもたちの寝泊りしている寮を見学しました。敷地内にある農園では栽培、出荷も行っているアブラヤシの説明を聞いたり、実際に使っている脱穀機を使わせていただきました。校内に戻ってからこどもたちが作ったお菓子や農園でとれたスターフルーツをご馳走になり、手作りの石けんとキーホルダーという、かわいいお土産までいただきました。こどもたちがみんなで一生懸命練習したというダンスを披露してくれて、最後には会員も一緒になってダンスを踊りました。

イグサの染物  寮の見学

脱穀機を体験する房田清光師  こどもと手をつなぐ四十澤承順師

こどもたちのダンス披露  一緒に踊る会員

こどもたちと一緒に記念撮影

 お別れの前に宮下会長よりお礼の挨拶を述べ、こどもたちや職員の方々、卒業旅行でボランティアに来ていた近畿大の学生さん達に見送られながら、生き直しの学校を後にしました。

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