平成19年度 海外研修旅行
【2日目/2月27日(水)/担当:四十澤承順】
2日目、中国三大石窟(雲岡、龍門、敦煌)の一つであり、世界遺産でもある雲岡石窟へ。私自身、初めての海外ということもあり、石像以前に見るもの全てを新鮮に感じながらの見学となりました。
雲岡石窟は山西省の大同郊外に位置し、東西1qにわたり大小さまざまな石像が5万1千体もあり、主立った石窟には第一号から第五十三号までの番号が付けられています。
今回は、一般的な観光ルートの第五号石窟から第二十号石窟を見てきました。個人的に特筆したいのは第五号と第二十号石窟で、入り口から直ぐの第5号石窟には、雲崗石窟の中で最大の高さを誇る17.7mの釈尊像が鎮座しています。薄暗く、ひんやりと冷たい石窟の中で見上げる釈尊像は只々圧巻でした。
第二十号石窟には、雲岡石窟の代表作となっている毘盧遮那大仏。石窟の頂上が崩れたことで、「露天の大仏」としても有名だそうです。第五号とは対称的に明るく開けた場所にあり、青空の下で見る大仏もまた格別なものでした。
自転車社会から自動車社会へと移り変わったこの国での道中安全を祈り、手を合わせて来ました。早朝からの見学でしたが寒さを忘れるほどで、仏像の顔はどれも穏やかな印象を受けました。120年かけて掘削されたと言われる数々の石像は一見の価値有りです。
続いて大同市内にある華厳寺へ。今から約950年前の遼の時代に建てられた華厳寺は、当時は中国最大の寺院だったそうですが、明の時代に上華厳寺と下華厳寺の二つに分かれました。現在、上華厳寺は僧侶が管理し、下華厳寺は行政の管理のもと博物館となっています。下華厳寺の本堂に安置されている31体の仏像の中には「東洋のビーナス」と呼ばれている菩薩像があり、仏像としては珍しく歯を見せて微笑んでいます。皆さんも、もし立ち寄る機会があれば歯が見えている笑顔の菩薩像を探してみて下さい。
雲岡石窟に続き華厳寺と仏像参拝の一日となり、有意義な時間を過ごしましたが、その笑顔の菩薩像から直ぐの参道では、小さな子供や老人が空き缶を持って物乞いをする姿を見かけました。北京オリンピック開催で華やかなをイメージを全面に出している一方、都市部と地方での格差を感じて何ともやりきれない気持ちになり、中国の明暗を感じた一日でもありました。